あらゆるものの真ん中で

森山直太朗( Naotaro Moriyama ) あらゆるものの真ん中で歌詞
1.何処かで誰かが

作詞:森山直太朗・御徒町凧
作曲:森山直太朗・御徒町凧

何処かで誰かが笑ってる
僕等は此処で空を見る
何処かで誰かが怒ってる
ガジュマルの木は風に揺れ

何処かで誰かが歌ってる
止まない雨とブラウンシュガー
何処かで誰かが嘘っぱち
小鳥がそれを見つめてる

何処かで誰かが威張ってる
ダイアモンドが輝いた
何処かで誰かが恍けてる
アンモナイトが動きだす

何処かで誰かが膝を抱く
戒厳令が轟いた
何処かで誰かが迸り
メソポタミアの流れ弾

何処かで誰かが自棄っぱち
アンドロメダが火を噴いた
何処かで誰かが埋まってる
アトラクションには人の列

何処かで誰かがエレキテル
歴史は昨日の台所
何処かで誰かが尖ってる
卒業式には知らぬ顔

何処かで誰かが死んじゃった
何処かで誰かの花が咲く

僕らは此処で空を見る
動かないあの止まった空を見上げてる


2.ラクダのラッパ

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

カレンダ一に印を付けて
伏し目で何を見てるんだ
目の前にいる大切な人さえ
守ることさえできやしないのに
アクセサリ一で飾り立て
お前は誰と話してるんだ
俺はずっとここにいるのに
俺はずうっとここにいるのに
笑うかい 笑うよな
だけどお前も似たようなもんだよ
ラクダのラッパが聽こえるか?
俺にはさっぱり聽こえないんだ

十度の違いも氣づかないのか
ジュ一ドって奴の名前じゃないぜ
言葉が異樣に迫ってくるさ
滿月は今、俺を見下しツヤツヤしてる
音樂したいと思っていたよ
音樂って絕對氣持ちがいいんだ
砂漠のラクダの隊商が
ラッパを吹いてる、そんな感じさ
笑うかい 笑うよな
感覺さえもやり過ごしてんだ
ラクダのラッパが聽こえるか?
最近、親父の電話が止んだよ

星空なんか賴りにしてさ
旅に出たのさ生まれる前は
勇氣は風が削っちまった
生きているってハンパじゃねぇや
空見上げれば石に躓く
なんだか世の中よくできてるし
神樣はまだ寢ぼけてるんだよ
戰爭なんか止めさしゃいいのに
笑うかい 笑うだろ
そうさ悲しい時こそ笑けるもんだよ
ラクダのラッパが聽こえるか?
お前の命はグラムでいくらだ
笑うかい 笑うよな
ラクダのラッパが聽こえるか?
俺にはさっぱり聽こえないんだ


3.花鳥風月

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

行く雲に亂れし心
吐く息は仄かに白く
喜怒哀樂を幾重に纏い
人は今 何處を步む

花鳥風月 瞬く間
私は聲を大にして
この身の限り唄をする者
花鳥風月 それもまた言の葉の綾

笑く花は季節を讚え
立つ鳥は言葉少なに
風の吹くまま有りの隨
月滿つる見果てぬ空よ

花鳥風月 佛の座
浮き世は罪をちゃらにして
あの世の光見せまいとす
花鳥風月 永久の詩情のように

花鳥風月 瞬く間
私は聲を大にして
この身の限り唄をする者
花鳥風月 それもまた言の葉の綾


4.昨日の君と今日の僕

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

なにもかも うまくいかない
うまくいかない なにもかも
そんなことを思ってる
君の心を透かしてる
台所 電球切れた
電球切れた 台所
便利になったはずなのに
世界はぼんやり暗いまま

昨日の君と今日の僕
二人は仲良く話してる
昨日の君と今日の僕
カップラ一メン分け合った
昨日の君と今日の僕
寢っ轉がって抱き合って
昨日の君と今日の僕
なんにもないのに喧嘩した

昨日の君と今日の僕
手を振りながら步いてる
昨日の君と今日の僕
迷子になって汗まみれ
昨日の君と今日の僕
布團の中で丸まって
昨日の君と今日の僕
なんにもないのにチュ一をした


5.雨だけど雨だから

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

飲み飽きたマンデリン
いつのまにか夜の町
バイクに乘ったサンタクロ一ス
ピザとコ一ラを運んでる
こんなにたくさんの人
名前も顏も知りはしない
バカなのはボク それともキミ

雨だけど雨だから
雨だけど雨だから
雨だけど雨だから
ボクはここから動けない


6.グングルパーニャ

作詞:森山直太朗・御徒町凧
作曲:森山直太朗

明日の今ごろには ぼくはここにいないだろう
グングルパーニャへと 旅立つだろう
きみと過ごした この町にはもうなにもない
ましてや未練だって これっぽっちもない

思えばぼくはどれほどの 嘘や過ちを繰り返し
どれだけの人を傷つけたのだろう
そうやって歩いてきた道を ぼくは否定することもできない
否定する権利などそもそもない だから

グングルパーニャの国で 待ってるよ
あるかどうかも定かじゃないけれど
グングルパーニャの国で 待ってるよ
例えきみが来なかったとしても

明日の物語は 誰にも描けない
本当のことは誰も知らない
いや知ってるのかもしれない ただ口に出さないだけなのかもしれない
グングルパーニャを見るまでは

きっとそれは温かいスープのような日溜まりと
小鳥たちの歌に包まれた
争い事なんてまるでない あっても後腐れなんてほとんどない
本当の自分と出会える場所 なのさ

グングルパーニャを込めて 笑おうよ
独りぼっちのぼっちを讃えて
グングルパーニャをこめて 笑おうよ
いつか挙って会える日がくるから

眠れない夜が続いたなら それが旅立ちの合図だよと
誰に言われたわけじゃないけれど
寂しいことなんてなにもない 延いては悲しいわけなんかじゃない
はぐれた渡り鳥と目が合っただけ よのさ

グングルパーニャなノリで 踊ろうよ
中途半端の半端の部分で
グングルパーニャなノリで 踊ろうよ
星たちのお喋りがやまない夜に

グングルパーニャの国で 待ってるよ
あるかどうかも定かじゃないけれど
グングルパーニャの国で 待ってるよ
例えきみが来なかったとしても


7.優しさ

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

本當の優しさとは
人に席を讓ってあげることではない
讓られた席には
自分で選んだ責任と勝ち取った喜びがないから

本當の優しさとは
ともに淚を流すことではない
悲しみを斷ち切る
そんな強さを姿勢で伝えること

本當の優しさとは
いつも近くにいることではない
時に相手を突き放し
遠い空からその身を氣遣ってあげること

本當の優しさとは
願いを葉えてあげることではない
草花を美しいとするなら
風に搖れるその樣を我が身と受け止めること

本當の優しさとは
無闇に勵ましてやることではない
光は暗闇を射すのだから
一人で生きる孤獨を奪い取ってはならない

本當の優しさとは
優しさについて考えることではない
例えあなたがいなくとも
世界はただ在るのだと認めてみせること

本當の優しさとは
自分で自分の幸せを摑み取ること
そのことを語らい
宇宙の廣さを互いの內に感じ合うこと


8.四月になれば

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

夢を持てよと人は言う
夢はなくとも生きている
夢はわざわざ捨てたのに
忘れた頃に言いやがる
四月になれば 四月になれば
四月になれば 四月になるさ

泣いてばかりの青春に
ほとほとうんざりしたのです
卒業証書の片隅に
ごくろうさんと書いてみた
四月になれば 四月になれば
四月になれば 四月になるさ

見慣れた町に花が笑く
風もいくぶん優しかろう
大好きな君に會いたくて
何度も步く道の上
四月になれば 四月になれば
四月になれば 四月になるさ

群青色の海原を
何に例えりゃいいのかと
丸めて彈いた晝下がり
髮も瞼に掛かる頃
四月になれば 四月になれば
四月になれば 四月になるさ

飛べない空に閃いた
愚癡る言葉の輕やかさ
平方センチの黃昏に
天地の差などあるものか
四月になれば 四月になれば
四月になれば 四月になるさ
四月になれば 四月になれば
四月になれば 四月になるさ


9.夜の公園で渡すつもりのない手紙を書いている

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

ギタ一を彈きながら上手に歌を歌うのは
難しいことだけれど
今ぼくの心を形にすることは
それ以上に難しいことみたいだ

靜かな夜に粉雪が降り積もるように
君への想いは靜かに降り積もっている
季節が巡っていつかこの雪が解けるなら
ぼくはきっと世界に解けてしまうんだ

細長いベンチを下敷きに
爪の形の月をスタンドにして
言葉を喋るみたいに 想いを
夜に滲ませようとしている
だけどこの手紙は
渡すつもりのない手紙
君への喜びを綴った
屆くあてのない手紙

君が今どこで何を考えているのかなんて
分からないことだけれど
そこにある景色はもう君だけのものじゃないんだよ
君だけのものじゃないんだよ

もう二度と會わないと誓った夜に
ぼくは部屋で少し寂しい映畫を觀ていた
ラストシ一ンは思い出せないけれど
淚が止まらなかったのを覺えている
だけどこの手紙は
渡すつもりのない手紙
君への喜びを綴った
屆くあてのない手紙

ジャングルジムが郵便ポスト
滑り台が配達員
蟲の聲が40圓切手
ぼくはシャツのボタンを全部しめている
だけどこの手紙は
渡すつもりのない手紙
君への喜びを綴った
屆くあてのない手紙
だけどこの手紙は
渡すつもりのない手紙
君への喜びを綴った
屆くあてのない手紙
屆くあてのない手紙


10.人のことなんて

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

人のことなんて
もうどうだって
いいじゃないか


11.アメリカにいるみたい

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

生まれ變わったら なんになる?
三軒茶屋の交差點
鄰で女が話してる
クルクル卷きの ブロンディ
やれカフェオ一レ やれカフェラッテ

アメリカにいるみたい
アメリカにいるみたい
いつか誰かが夢に描いた
アメリカにいるみたい

生まれる前は どこにいた?
充電切れの通信機
あさって向いたチュ一ニング
最前線は孤立する
やれハンバ一ガ一 やれコンピュ一タ一

アメリカにいるみたい
アメリカにいるみたい
アメリカ映畫に出てくるような
アメリカにいるみたい
アメリカにいるみたい
アメリカにいるみたい
いつか誰かが夢に描いた
アメリカにいるみたい
いつか誰かが夢に描いた
アメリカにいるみたい


12.トルコの人形

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

道具屋の奧で 埃かぶってる
間違いなくあれは トルコの人形
うっすら微笑む 木彫りの顏は
天使のようで 惡魔のようで

トルコといえば イスタンブ一ル
知らない樂器の 音が聞こえる
トルコに行けば 何かが變わる
地圖で何處だか 分からない國
待ち合わせの朝 雪に降られて
それが理由だったのか 最後のサヨナラ
真っ白な公園が ただ寒くって
子犬のように はしゃいだ記憶

トルコが誇る 美味しい料理
妖しい色の 葉っぱに乘った
トルコに行けば 何かが變わる
行ってみたいと 思えたなら

トルコといえば イスタンブ一ル
知らない樂器の 音が聞こえる
トルコに行けば 何かが變わる
地圖で何處だか 分からない國
道具屋の奧で 埃かぶってる
間違いなくあれは トルコの人形
君が見つけた トルコの人形


13.知らないことが多すぎる

作詞:森山直太朗/御徒町凧
作曲:森山直太朗/御徒町凧

知らないことが多すぎる
明日の天氣
電話機の仕組み 先生の機嫌
知らないことが多すぎて
生きることを止められない

知らないことが多すぎる
時間の始まり
宇宙の向こう 自分の心
知らないことが多すぎて
ト一ストはこんがり燒ける

知らないことが多すぎる
進化の過程
ママのへそくり 鼻歌の理由
知らないことが多すぎて
國際會議は繰り返される

知らないことが多すぎる
生きている意味
死んでいく意味 フォアグラの味
知らないことが多すぎて
眠るあなたにキスをする